(保育の理念)
どんな家庭環境にあっても、どんな障害を持っていても、すべての子どもは等しく健やかに育つ権利があると、私たちは考えます。子どもは遊びの中で育ち、遊びが生活そのものです。
私たちは、美しい自然、美しい音色、心打つお話に感動し、正しいことを正しいと、悪いことは悪いと言える力が育つことを願うのです。この乳幼児期で育った力は、将来の人間形成にとって大切な基礎作りとなるでしょう。
(保育の目標)
- 生活習慣を身につけ、心身ともに健康な子
- 仲間の中にいることをよろこび、思いやりのある子
- ものごとに感動し、自分を表現できる子
- 自分の要求が言え、ひとの要求もきちんと聞ける子
(健康な体は、朝の目覚めから)
朝陽が昇るころ、人間は活動を開始します。「ヒトから人間になる」長い歴史の中で培われた生活スタイルです。子どもの活動も午前中が活発であり、身体も心も頭も使ってみ中で遊びます。
社会全体が夜型になり、子どもの生活も影響を受けています。私たちは、早寝早起きの生活リズムを創り出すことを重視して取り組んでいます。よく食べ、よく遊び、よく眠って丈夫に育った体は、1年中薄着と素足で過ごすことができます。
(遊びの中で育つ身体と心)
暑い夏でも、寒い冬でも、散歩は毎日の日課です。子どもたちは、四季折々の美しい自然の変化に触れ、青い空や白い雲、赤い夕陽に心躍らせます。かわいい草花を摘んだり、ザリガニ、カマキリ、コオロギなどを仲間に遊びほうけます。
ピカピカの砂のお団子づくりはお手のもの。山や川やトンネルをつくって、まっ黒になって遊ぶ子どもたち。園庭中が砂場と化します。
みんなでうたう楽しい歌、リズミカルで創造的な表現活動のリズム遊び、生活体験が描かれるたくさんの絵、子どもたちの目は輝き、心も体も躍動します。
(みんなの中で育つ子どもたち)
笑顔を向けると微笑み返す赤ちゃん。隣の友達に手を出したり、見つめあったり。人とのかかわりはここから始まります。日常的にあるケンカも子どもの成長にとっては大切なことです。低年齢児の、たたいたり、物の取り合いをするケンカから、年齢が進むにつれて「ことば」によるケンカが多くなってきます。 悔しい思いや、自分の悪かったこと、また、相手の気持ちもわかり、思いやりも育ってきます。
家庭にいては体験できない同年齢集団の中で、体と心は一段と逞しくなっていくのです。
(保護者と保育者は子育ての仲間)
「這えば立て、立てば歩めの親心」と昔から言われているように、子どもは発達の道筋を経て成長していきます。私たちは、個人差を考慮しながら、年齢に合った十分な活動ができるよう配慮います。そして、子どもを「部分的」に見たり、「できる、できない」という価値観で判断するのではなく、個性や発達をまるごと受け止めてあげることを大切にしています。
保護者と保育者は、子育ての共通の仲間です。保育の理論を学び、話し合い、さらに福祉充実のために力を合わせていくことが、子どもを守ることと考えています。